最近、生徒さんから「なかなか碁が強くならないから、落ち込んでいます。」というご相談を受けることがあります。先週も「人生の終焉を前にして囲碁など始めたものだから、苦しみを増やしたようなもの。こういうものは、向上心のある若い時に出会っておくものだ。」というご意見をいただきました。確かに若いうちは記憶力もあり、棋譜の覚えもよいでしょう。ですが、学校生活を軸にして部活やテストなど皆さんの若い自分には囲碁以外に興味のあること、忙しかったことなどたくさんあったはず。今、囲碁と出会われたのも縁。まさに子育てや仕事を終えられ、新しい学習意欲をかきたてられるものを見つけた喜びを感じていただきたいです。悩んだり、苦しんだり、時には勝って喜んだり、喜怒哀楽のある楽しい趣味を手に入れたと前向きに考えていきましょう!!!
そして、囲碁を通じて知り合われた方々とのコミュニケーションを大事に育ててください。今まで培われた経験や知識を他の方とキャッチボールして人生を豊かにしていただきたいと思います。年の初めに犬養先生に講演していただいたきっかけも、関西生まれの3人で大阪の町や仁徳天皇陵の話をしていた時に百人一首に話題が飛び、高校生の囲碁仲間も加わってどんな歌を覚えているかなど話がつきず、10代から80代まで同じ話題で興じる和歌の世界をお客様で専門家である犬養先生にもっと詳しくお話していただいたら楽しいだろうと思いついたのが発端でした。「今度は、和歌の解説が聞きたいから、第2弾はいつですか?」と、大学の後輩から今日、聞かれたところです。彼女も絵本の挿絵の研究をしている研究者の卵ですから、「あなたもやってみたら?」と、声を掛けました。先月、詰碁の本を手渡したところ、電車の通学で一冊読み終えた彼女は、今日の教室でも手が上がっていて打つ顔の表情にも自信が感じられました。大学の大先輩から「どちらが早く初段になれるかしら?私も石倉先生の本を勉強するからね。」と、エールを送られていました。帰り際、玄関でのほほえましいひと時です。